投資に役立つデータ集

個人投資家の備忘録

重要な株式投資指標まとめ

流動比率

流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100


流動比率とは、流動負債に対する流動資産の割合を示す指標。企業の短期的な支払い能力を知ることができる。

流動資産とは、一年以内に現金化できる資産のこと(例:現金、預金、売掛金受取手形)。

流動負債とは、一年以内に返済しなければならない負債のこと(例:買掛金、支払手形、短期借入金)。

流動比率は高いほど安全性が高い。100%を下回ると、流動資産より流動負債の方が多いことになるので、危険な状態だといえる。

自己資本比率

自己資本比率 = 自己資本 ÷ 資産(総資産)


自己資本比率とは、資産に対する自己資本の割合を示す指標。財務の安全性を判断するために使われる。業種によって数値が大きく異なるので、これぐらいの数字なら適正だと一概には言えないが、自己資本比率が一桁だと債務超過のリスクがあるので危険。

なお、自己資本と純資産は同義ではない。純資産は「株主資本」「その他包括利益累計額」「新株予約権」「少数株主持分(非支配株主持分)」から成り、このうち「株主資本」と「その他包括利益累計額」を足したものを「自己資本」と呼ぶ。

株主資本とは、株主が保有する資産のこと。株主からの出資金やその出資をもとに事業で得た利益など。

その他包括利益累計額とは、為替や株価の変動によって生じた資産の含み益・含み損のこと。

新株予約権とは、あらかじめ決まった金額や条件で株式を取得できる権利のこと。企業から見れば、将来の出資金といえるので、純資産に属する。

少数株主持分(非支配株主持分)とは、連結会計のみに現れる勘定科目で、親会社以外の株主の持分のこと。

新株予約権と少数株主持分は、現株主の持分とはいえないので、自己資本には含まれない。

自己資本利益率ROE:Return On Equity)


自己資本利益率ROE)とは、自己資本に対する当期純利益の割合を示す指標。株主が投資した資金を、企業がどれぐらい効率的に使って利益を上げているかを知ることができる。10%を超えると、投資価値のある優良企業だとみなされる。

総資産利益率ROA:Return on Assets)

総資産利益率ROA)= 当期純利益 ÷ 資産(総資産)×100


総資産利益率ROA)とは、資産(総資産)に対する当期純利益の割合を示す指標。企業が資産をどれぐらい効率的に使って利益を上げているかを知ることができる。5%を超えると、投資価値のある優良企業だとみなされる。

1株当たり当期純利益(EPS:Earnings Per Share)

1株当たり当期純利益(EPS)= 当期純利益 ÷ 発行済株式総数


1株当たり当期純利益(EPS)とは、企業が1株当たりどれぐらいの利益を生んでいるかを示す指標。企業の収益性を分析するために使われる。値が大きいほど、収益力が高いことを意味する。また、過去の数値と比較すれば、企業の成長度を測ることもできる。

ただし、EPSが上昇したからといって、当期純利益が増えたとは限らないので注意。増資・株式分割・自社株買いなどによって発行済株式総数が減少すれば、EPSは上昇する。

1株当たり純資産(BPS:Book-value Per Share)

1株当たり純資産(BPS)= 純資産 ÷ 発行済株式総数


1株当たり純資産(BPS)とは、1株当たり純資産がどれぐらいあるかを示す指標。企業の安全性を分析するために使われる。値が高いほど、企業の安全性が高いことを意味する。

BPSは理論上、仮に企業が解散した場合に株主のもとに残る価値を意味するので、「1株当たりの解散価値」とも呼ばれる(ただし、企業が解散しても実際にその金額を受け取れるわけではない。あくまで理論上の話である)。

株価収益率(PER:Price Earnings Ratio)

株価収益率(PER)= 現在の株価 ÷ 1株当たり当期純利益(EPS)


株価収益率(PER)とは、1株当たり当期純利益の何倍で株が買われているかを示す指標。企業の収益に対する、株価の割安性を判断するのに使われる。値が低いほど割安、高いほど割高であることを意味する。業種によって値が大きく異なるので、同業種間の比較に用いられる。

なお、PERには過去の実績に基づく「実績PER」と、今後の予想利益に基づく「予想PER」があるが、よく使われるのは「予想PER」の方である。

株価純資産倍率(PBR:Price Book-value Ratio)

株価純資産倍率(PBR)= 現在の株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS


株価純資産倍率(PBR)とは、1株当たり純資産の何倍で株が買われているかを示す指標。企業の純資産に対する、株価の割安性を判断するのに使われる。PBRが1より小さいと割安、1より大きいと割高とされる。業種によって値が大きく異なるので、同業種間の比較に用いられる。

なお、PBRには過去の実績に基づく「実績PBR」と、今後の予想利益に基づく「予想PBR」があるが、よく使われるのは「実績PBR」の方である。

配当性向

配当性向 = 1株当たりの年間配当金 ÷ 1株当たり当期純利益(EPS)× 100


配当性向とは、1株当たりの当期純利益に対する1株当たりの年間配当金の割合を示す指標。企業が事業で得た利益をどれぐらい株主に還元しているかを知ることができる。配当性向の平均値は30%前後とされるが、配当性向は高ければよいというものではない。例えば、成長企業は事業拡大に資金を回すため、配当性向が低くなる傾向がある。

配当利回り

配当利回り = 1株当たりの年間配当金 ÷ 現在の株価 ×100


配当利回りとは、現在の株価に対する年間配当金の割合を示す指標。配当狙いで株式を買う場合は、真っ先に見るべき指標である。例えば、預金や国債金利と比較して、配当利回りの方が低ければ、配当狙いでその株式を買うのはやめるべきだろう。

なお、配当利回りを算出する式の「1株当たりの年間配当金」は、終了した年度の配当金額ではなく、今期または来期の予想配当なので、減配/無配のリスクがあることは忘れないように。

また、配当利回りが高くても、その原因が株価の低さにある場合は要注意。